ご挨拶

ご挨拶

国立療養所菊池恵楓園園長ご挨拶

菊池恵楓園歴史資料館のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

当園にはハンセン病回復者の皆さんの療養生活をお支えする一方で、ハンセン病への偏見差別を社会から取り除いていく責務が課せられています。これまでの社会交流会館(旧歴史資料館)ではその点が不十分だったため、今回、新歴史資料館を新築し、リニューアルし旧歴史資料館と一体化したことで、パワーアップした本格的な啓発拠点になりました。今回のオープンまでは、構想から足掛け7年を要しましたが、誤ったハンセン病政策の被害者でもあり、証言者でもある入所者自治会の皆様の視点が十分に生かされているはずです。

21世紀は人権の時代です。理由が何であれ、相手の人権を軽視しないかぎり、当然、戦争はもちろん、人間同士が争うなんてできるはずはありません。ハンセン病の歴史を通じて、今後、どれだけ多くの来館者の皆様に人権の重要性を自分事として考えていただけるかで、偏見差別のない共生社会への国の取り組みが問われていくと思っています。

なぜ、ハンセン病患者さん達やその家族の皆さんが偏見や差別を受けたのか?なぜ、治る病気になってからも誤った政策が続いたのか?なぜ、堕胎や不妊手術に代表される多くの患者人権侵害が起こったのか?ハンセン病の歴史には多くの"なぜ"が存在しています。是非、資料館にお出でいただき、あなたが多様な価値観を持った入所者のひとり(私)になって、その答を明らかにして下さい。人権の多様性を理解するうえで、大切な気づきが得られることでしょう。

 

 

国立療養所菊池恵楓園入所者自治会会長ご挨拶

令和4年5月13日「菊池恵楓園歴史資料館」がリニューアルオープンを迎えることになり、各方面のご協力に感謝申し上げます。

平成13年の国賠訴訟判決の後、多磨全生園では高松宮資料館が国立資料館として生まれ変わると知らされ、菊池恵楓園にも資料館設置の機運も高まってまいりました。

恵楓園内の旧事務本館には貴重な資料が積み上げられているにもかかわらず、何故かガラス窓が破られ鳩が営巣していることを知り、資料整理を実施しつつ展示等については自治会が費用を負担することで2006年に社会交流会館として資料館事業がスタートしました。

その後、「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」が2009年4月施行され、同法18条に資料館の設置が明記され、国立資料館が法的な裏付けを持つことになった一方、菊池恵楓園の場合は社会交流会館としてしか認められず臍を噛む思いでありました。

そうした中で、資料の整理が進められ明治42年以降の「患者身分帳」が存在していたことが把握されたこともあり、社会交流ではなく「歴史資料館」としての機能の必要性が認識されてきました。また入所者の絵画会「金陽会」の油彩950点を後世に残すためには温湿度の管理ができる収蔵庫の整備も急ぐ必要があり、幾度の陳情の結果、厚労省もようやく新館の建築を認めていただき歴史資料館の開館に至りました。歴史資料館には他に例を見ない、「菊池医療刑務支所」単独房も復元されています。

菊池恵楓園歴史資料館の企画、展示は株式会社乃村工藝社に発注し、展示終了までに7年を要しました。細部に至るまで施設、自治会、学芸員により調整が図られ開館に至っています。

コンセプトは「あなたは私」「私はあなた」絶対隔離の中で絶望するのではなく、いかに生きてきたのかその事を感じ取っていただければ望外の喜びであります。