ハンセン病問題について

ハンセン病とは

ハンセン病は「らい菌」によって引き起こされる慢性の感染症です。

この菌の感染力は弱く、豊かな生活を送る現代人が感染・発症することは稀とされています。しかしながら貧しく衛生環境が整っていない時代には多くの患者が存在しました。

この病気を発症すると皮膚に発疹、腫れなどが現れる他、手足などの末梢神経が傷つけられた場合には知覚障害や運動障害が生じます。

末梢神経には知覚神経・運動神経・自律神経の3種類がありますがこのいずれもが菌によって障害が引き起こされる可能性があります。

知覚神経に障害がある患者は痛みや温度を感じることができなくなり、気づかない内に怪我を重ねてしまいます。また、時に激しい神経痛の原因にもなり、後遺症として生涯に渡り苦しむこともあります。

運動神経に障害がある患者は筋力が低下したり、麻痺したりします。筋肉がかたく縮み、患部が変形することもあります。

自律神経に障害がある患者は汗腺や皮脂腺の働きが悪くなります。乾燥肌になりやすく、体熱がこもりやすくなります。

かつては有効な治療薬が存在しなかったため、一度病気を発症すると回復することは困難であり、身体障害を抱えた状態で長く生活する患者が日本の各地に存在しました。

太平洋戦争の後、ハンセン病に対する初めての化学療法薬「プロミン」が登場したことでハンセン病は治療可能な病となりました。その後の治療薬・治療技術の向上により、現在ではたとえ発症しても早期の診断・治療があれば後遺症を残すことなく治癒することが可能となっています。